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■ 第99話 ■北京冬季五輪、暗雲モッコリ

▼今年もあと2週間ほどで終わる。なんか、何もできなかった1年だった。いや、実際にはちゃんと朝起きて歯磨いて食べてちょっと仕事して風呂入って屁こいて寝てたんだけど、ほとんど充足感が得られない1年だった。今夏、日本はコロナ禍の中、東京オリ・パラを立派にやり遂げた。無観客で大変な赤字になっちゃったけど、アスリートたちが躍動できる機会を提供できたのは素晴らしい。えらいぞニッポン。自画自賛していたらもう次の五輪が目前に迫っていた。北京冬季五輪だ。来年2月4日(金)から始まるらしい。もうすぐじゃん。

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▼ワシントンポストが今月7日、北京五輪を「ジェノサイド(民族大量虐殺)五輪と呼べ!」と主張する物騒な社説を掲載した。アメリカは中国による新疆ウイグル自治区での人権弾圧等に抗議して北京冬季五輪に政府関係者を派遣しない「外交的ボイコット」を決めた。社説は選手団に「弾圧の犠牲者たちと連携して非難の声を上げろ」、メディアに「悲惨な虐待の真実を伝えるために紙面や放映時間を割け」、スポンサー企業には「習政権が人道に対する犯罪を封じ込めようとする行為に手を貸すことを恥じよ」、そして世界中の人や企業は北京五輪を「『ジェノサイド五輪』と呼ぶべし」と呼び掛けた。かなり偏った、上から目線の生意気な檄文だ。しかし「いつものアメリカ唯我独尊小噺か」と皮肉ってばかりもいられない。だって社説は最後に「同盟国もこれに続け!」と呼びかけているんだもの。同盟国って誰だ? 日本も入ってるじゃ~ん。米中の対立に日本を巻き込むなっちゅーの。しかし実際のところイギリスもアメリカやオーストラリアに続いて外交的ボイコットを決め、カナダも追随した。さらにイギリスでは今月9日、民衆法廷が中国によるウイグル族弾圧を「ジェノサイド」と認定した。なんか、ボヤだと思って見ていたらどんどん火が大きくなって来たぞ。中国からは「東京五輪の時、一切批判せず応援してあげたの、まさか忘れてないよね?」と静かに脅され、アメリカからは「同盟国の意味、分かっているよな!」と圧力がかかる。日本は「今日耳日曜作戦」でやり過ごせるかな。

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奴隷は人じゃないので虐待中だけど、何か?

▼中国が新疆ウイグル自治区でやっていることが報道の通りなら擁護しようがない。ただ、ここでは一旦それを脇に置く。かつてヨーロッパの白人たちはアメリカやカリブ海に住んでいた数千万人の先住民を大虐殺した上に土地を奪った。一方でアフリカから数千万人の黒人を連行して家畜同然にこき使って消耗した。オーストラリアでも先住民族のアボリジニを合法的に虐殺し、タスマニア人は地上から消滅した。なので白人たちが自分たちの過去を棚の上の、誰にも見えないところまで上げて隠した上で人権弾圧だ、ジェノサイドだなどと叫び、五輪を控えて反論しづらい中国を集中攻撃する姿には違和感を覚える。まるで昔、相当なワルだった入れ墨ジジイたちが新興ヤクザを取り囲んで「やんちゃするんじゃねえぞ」と説教ぶっこいているようで、あまりいい気持がしない。政治とスポーツは切り離して考えるべきだなんて青臭いことを言うつもりは毛頭ないけど、こんなことを繰り返していたらもう誰も五輪開催国に手を上げなくなっちゃう気がするぞ。2024年にパリ五輪をホストするフランスは外交的ボイコットへの不参加を表明した。韓国もだ。そりゃそうだ。そして2028年の夏季五輪開催地は米ロサンゼルスだ。巨大ブーメランがアメリカの後頭部を直撃する可能性がある。怖いよー。少しチビッたところで次号に続く。チャンネルはそのままだぜ。

週刊ジャーニー No.1219(2021年12月16日)掲載

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