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■ 第94話 ■あの銀行が、欲しぃ~の‼

▼1811年、シティにN. M.ロスチャイルドという銀行ができた。Nはネイサン、Mはマイヤー。フランクフルトのゲットー(ユダヤ人居住区)からロンドンに送り込まれたロスチャイルド家3男、ネイサン・マイヤーが始めたマーチャントバンクだ。対ナポレオン戦で次々発行される英国債の大半をネイサンが引き受けた。イギリスは共に闘うオーストリアやプロイセン、ロシアに軍資金を用立てた。ロスチャイルド家5兄弟は手形交換所を立ち上げて英政府の海外送金を手伝った。さらに大陸のウェリントン公に軍資金となる金塊を届けて感謝された。困ったときにお金を用立ててくれる人はいい人だ。ナポレオン戦争を境にロスチャイルドはイギリスの王室や政府、そして大貴族の打ち出の小槌になっちゃった。ナポレオン戦争勝利の知らせを逆手に取ってネイサンがボロ儲けしたことは前号で知ったかぶりした。その後、N. M.ロスチャイルド銀行は同家のネットワークを駆使して世界初となる外債を扱って更に儲けた。ネイサンが次に狙いを定めたのがイングランド銀行だった。

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▼1685年。「朕は国家なり」でお馴染みフランスのルイ14世がユグノー(プロテスタント)の弾圧を始めた。そのため多くのユグノーが国外に脱出した。彼らは新教国であるオランダやイングランドを目指した。英国国教会とはヘンリー8世が離婚を認めてくれない教皇にブチ切れてローマと決別し自分自身を教皇のポジション(首長)に据えて始めたもの。なので当時の腐敗したカトリック教会を憂いて立ち上がったルターやカルヴァンらの福音主義と成り立ちは全然違うんだけど、カトリックに対抗するという意味では同じチーム。カトリックが蓄財を良しとしなかったのに対しカルヴァンは「人は神から与えられた現生の職業を含め、全てに対して誠実に生きよ」と説いた。これは「一生懸命働いて稼げば天国行けるかもよ~」とも解釈できたから特に高利貸しや商人たちの共感を呼んだ。人は聞きたいように聞き、見たいように見るって奴だ。

ネイサン
ネイサンですが、何か?

▼ちょうどこの頃、イングランドとフランスは世界に絶賛拡大中の植民地を巡り、各地で激烈な争奪戦を繰り広げていた。戦争にはまとまった金が要る。議会は国債を売るための金融機関設立を決めた。1694年、民間から資金を調達してイングランド銀行が発足した。つまり始まりは政府への貸し付けを主業務とする民間のマーチャントバンクに過ぎなかった。出資者の中に多くの裕福な脱仏ユグノーが含まれていて、理事に選ばれるのもユグノーが多かった。ネイサンがN. M.ロスチャイルド銀行を創業した頃、イングランド銀行とはつまりネイサンの競合相手の一つだった。

▼ネイサンはイングランド銀行が欲しくなった。だってイングランド銀行はネイサンが喉から手がビヨヨ~ンと出るほど欲する特権を持っていたんだもの。通貨発行権だ。当時通貨発行権はイングランド銀行の他、いくつかの地方銀行に与えられ、金塊の保有量に応じて紙幣を発行していた。通貨発行権の支配はロスチャイルド家の悲願。ネイサンは巧みにイングランド銀行から金塊を引き出して金欠に追い込み、一方では金塊を融通して救済した。川に突き落として溺れさせ、大丈夫ですか~と助け出す、みたいなことを繰り返すうちに気付けばイングランド銀行の中心にネイサンがワッハッハと立っていた。いいのか、こんなザックリ解説で。いいのだ。グダグダ雑記帳だもの。都合のいい自問自答を終えたところで次号に続く。チャンネルはそのままだぜ。

※参考文献:林千勝著「ザ・ロスチャイ ルド」他

週刊ジャーニー No.1214(2021年11月11日)掲載

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