Yutaka Online Shop Spring Sale 2024
Yutaka Online Shop Spring Sale 2024

豆腐はまだまだ伸びしろがある、とは思うんだけど。

もう35年くらい前のことなんですが、アメリカ東海岸のボストンから西のロサンゼルスまで貧乏旅行をしたことがあります。旅のほとんどがキャンプや野宿。夕飯はほぼ自炊だったんですが、都市部は当然としてワイオミングやアイダホといった田舎の州に点在するスーパーですら豆腐が普通に売られていました。それも長期保存型のものではなく、フレッシュなものが多く、種類も豊富だった記憶があります。パッケージには「TOFU It's not a foreign word anymore(豆腐。もはや外国語にあらず)と書かれていてその浸透ぶりに驚かされたものです。アメリカで流行ったものはほぼ必ず遅れてイギリスにやってくる傾向があるのですが、どうも豆腐に関してはその歩みがのろい。もちろん最近は大型スーパーマーケットでも見かけるようになりましたが、まだまだ長期保存のきく小さい四角いパックのものが主流です。以前日本のテレビでスモークした豆腐がドイツで人気上昇中というものを見ました。日本で豆腐作りの修業を積んだドイツ人の職人さんがドイツに戻って豆腐を作って売り出したがなかなか売れない。試行錯誤の末に燻製にしてみたら「サラダに入れるととても美味しくてヘルシー」という評判が広がって人気に火が付いたんだとか。豆腐は素晴らしい食材ですが、濃い味好み、噛みごたえ重視のイギリス人にとっては「味がしない」「噛みごたえがない」ということなのかもしれません。おまけに清潔感あるけど色も地味。パステルカラーの豆腐があってもいいと思うんですが。豆腐のヘルシーさはそのままに、ヨーグルトのようにフルーツを入れたり、すき焼きの具材が練り込まれていたり、そのまま食べても美味しい味付けを施した豆腐ってのはタブーなんでしょうか。外国から入って来た食に独自のアレンジを施して日本人向けにするのは大得意な日本ですが、こと和食をアレンジすることに抵抗を感じる日本人が多いような気がします。どこかの豆腐メーカーさん、世界が認める新しい豆腐を考えてくれないかなー、と勝手に期待しちゃいます。

Cook in Britain編集部(T)