英国最古の映画館が復活!
リージェント・ストリート・シネマ

 

 

■映画誕生から120周年を迎える今年。

英国で最初に映画が上映され、もっとも古い歴史を誇る映画館として、かつて絶大な人気を博した「リージェント・ストリート・シネマ」が、35年ぶりに復活。映画ファンのあいだで、話題を呼んでいる。


市民が文化や科学技術についての実践的な知識を学べる場として、1848年に王立科学技術会館(Royal Polytechnic Institution、現ウェストミンスター大学)がリージェント・ストリートに開設された。通称「リージェント・ストリート・ポリテクニック」と呼ばれた同施設は、48年後に予想もしなかった大きな変化を遂げることになる。

 1895年12月28日、世界初となる撮影と映写の機能を持つ複合映写機を開発したフランスのリュミエール兄弟が、パリで有料の試写会を開催。大成功を収めたこの日は、「映画誕生の日」とされた。そして翌1896年、リュミエール兄弟の映画が英国でも初公開されることが決まる。その試写会場となったのが、「リージェント・ストリート・ポリテクニック」であった。以降、「リージェント・ストリート・シネマ」と名を変え、英国初の映画館として輝かしい歴史を歩み始めた。

 第1次世界大戦後には負傷した兵士のリハビリ施設として使用されたものの、紆余曲折を経て1950年代に入ると再び人気映画館の地位を回復。しかし、新設備を取り入れた映画館が次々と登場したことにより観客数が激減、1980年に閉館した。


 

 ウェストミンスター大学は、1992年の開校以来、同館をレクチャーホールとして使っていたが、英国映画協会らの協力のもと、かつての映画館の姿を復元させようと改修工事に着手。2年以上を経て今月、ついにオープンを迎えることになった。

 現在上演しているのは、モノクロ映画から日本のジブリアニメまで、日替わりでさまざま。いわゆる『名画座』だ。2本立ての日もあり、価格は大人11ポンドから。ちなみに、筆者が訪れた日の上映作品はジブリの『もののけ姫』(英語吹き替え版)で、子供連れの家族や20~30代のカップル、ウェストミンスター大学の学生と思しきグループなどが来場していた。



▲座席数は200。落ち着いたグリーンとイエローの色調、壁のアールデコ装飾が優雅。

 

 同館で公開された世界初の映画は、駅のホームに蒸気機関車が入ってくる情景などを映したもので、初めて『動く映像』を見た観客は、スクリーン内で迫ってくる蒸気機関車を恐れて、座席から飛び退いたのだとか。こうした歴史に思いを馳せながら、昔懐かしい映画をのんびりと鑑賞してみては?(文・写真/本紙編集部  中小原和美)


 

 

The Regent Street Cinema
309 Regent St, London W1B 2UW
Tel: 020 7911 5050
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