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ぶらりんぐロンドン

ジャーニー編集部がロンドンの街をぶらりとレポート

オスカー・ワイルドが収監された監獄、期間限定で公開中

ヴィクトリア朝時代に活躍した人気作家、オスカー・ワイルド。アイルランド出身のワイルドはオックスフォード大学を卒業した後、ロンドンに移り住み、「ドリアン・グレイの肖像」「サロメ」など耽美・退廃的な小説や詩を多数執筆しました。
しかし、当時大罪とされた「男色」罪により投獄され、2年間の服役生活を送ります。妻と離婚し、子どもとも会えなくなったワイルドは出獄後、失意と世間の目から逃れるように渡仏。パリで、ひっそりと生涯を終えました。

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そのワイルドが2年間収監されていた監獄が、今もレディングに残っています。ロンドン・パディントン駅から電車で約30分。レディング駅からは徒歩10分ほど。1844年に建造された監獄ですが、2013年に閉鎖。今後この監獄をどうするかはまだ未定のようですが、レディング・アート・プロジェクトの一環として、今年9月から一般公開されています(12月4日まで)。

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オンラインでの事前予約制で、入場時間は1時間ごと(大人£9)。エントランスを通り抜けて、監獄内へ向かいます。

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地上3階建て。1階の手すりや独房のドアは緑色、2階は赤色、3階は青色と色分けされています。これは後に施されたもので、ワイルドの収監当時は、このように色鮮やかではなかったようです。右側中央に並んでいるブースが、監視員たちの常駐部屋でした。

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ワイルドが収監されていたのは、Cウィング2階の独房。「C.3.3」と部屋番号で呼ばれていました。現在は部屋番号が改正されており、ワイルドのいた独房は「C.2.2」となっています。見学の際には、間違えないようにご注意を。

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写真左端の赤いドアの部屋が、1895~97年までの2年間をワイルドが過ごした独房。この部屋にはボランティア・スタッフがいるので、話しかけると色々と解説してくれます。

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残念ながら改修されているので、独房内はワイルドがいた当時のままではありませんが、雰囲気は十分味わえます。ベッド、物置棚、洗面台、トイレがありました。 右の写真に写っているクリーム色のドアは、改修前まで使われていた「C.3.3」のドア。ワイルドの収監時のもので(実物)、監獄内のチャペル跡に展示されています。彼は毎日、どんな思いでこのドアを見つめていたのでしょうか。

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監獄内での読書は、聖書などのみ許されていました。しかし、ワイルドは政府の好意により、わずかながらも監獄外から本を受け取ることができたとか。彼が実際に読んでいた本も飾られていました。歴史、古典哲学書などがほとんどで、ダンテの本が多かったです。

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再犯率が高かったようで、出獄前に収監者は顔写真を撮影されました。写真左は1888年のもの。本人確認をするときに、手も重要な特徴となるため、このように両手を見せたポーズでの撮影となっています。女性もいるのがわかります。 写真右は、ワイルドが出獄した1897年のもの。ワイルドの写真は残っていないそうですが、このように正面と横顔を撮影されたに違いありません。

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監獄の庭。1日1時間だけ独房から出ることが許され、チャペルでの礼拝と庭での運動(歩くだけ)ができました。その際も互いの顔が判別できないように、目の部分だけを開けた袋を頭からかぶっていたそうです。 興味のある方は、ぜひレディング監獄を訪れてみてくださいね。(編集部 ナカコ)

Inside – Artists and Writers in Reading Prison
2016年9月4日(日)~12月4日(日)
HM Prison Reading
Forbury Road, Reading, Berkshire RG1 3HY
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