イングランドとウェールズの経済的に恵まれない地域の死亡率は、アフリカの発展途上国並に高いことが調査で明らかになった。「デイリー・テレグラフ」紙が伝えた。
英国会で発表された統計によると、10万人あたりの年間死亡者数が1,500人にのぼる地域があるという。
ちなみに「WHO(世界保健機関)」の統計では、ルワンダが1,427人、ボツワナが1,452人になっている。
イングランドとウェールズで死亡率が最も高い地域は、南ウェールズのブリッジエンドにあるブリンセシン(Bryncethin)で、2009年の10万人あたりの年間死亡者数は1,499人だった。
次は英中部オズウェストリーのウィッティングトンで1,468人、そして英北東部ストックトン・オン・ティーズのティレリーとポートラックが1422人、北ウェールズのレックスハム、英北部ハル、英北西部チェシャーのハルトン、英北西部マージーサイドのセント・へレンズ、コーンウォールのペンウィズが続いた。
ただし、イングランド全体では、10万人あたりの年間死亡者数は462人で、一方、「WHO」の統計のなかでこの数が最多だったのはマラウィで2,344人だった。
専門家らは、かつての工業地域で現在は荒廃している地域が抱える問題が如実に示されていると説明している。
若い頃に重労働に従事していた高齢者は比較的早くに亡くなる傾向があり、また、失業している若者は飲酒や麻薬により健康を害するケースが多く見られ、これが死亡率の高さにつながっているとされている。