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2017年6月8日

 

ご当地ワインと郷土料理&名産物⑳スペイン・ワイン総括

緑の少ない大地で生まれるワイン

 

スペインの国土の様子を詳細に伝える地図=下=を見ると、緑で表された細い海岸地帯を除き、ほとんど茶色に塗られていることに気付く。中央の色の濃い茶色の部分はメセタMesetaと呼ばれる標高約500~800メートルの広大な高原で、そこから幾本かの主要な川が地中海や大西洋に向かって流れている。それらの河川流域がスペインの主要なワイン産地となっている。例えば、メセタから東の地中海に向かって流れるエブロ川流域にはリオハ (DOCa)、西の大西洋に向かって流れるドゥエロ川流域にはリベラ・デル・ドゥエロやタホ川周辺流域のラ・マンチャ、南部を流れるグアダルキビール川流域にはシェリーの主産地といった具合だ。

フランスに比べ、緯度が低く気温が高めであるスペインでは、ブドウ畑の90%はフランスの大半のブドウ畑よりも標高が高い場所にある。そこでは昼夜の気温差の大きさから、凝縮した香味、高い酸味、濃い色合いをもつワインが生まれている。また、南部の地中海沿岸などの低標高地域にあるブドウ畑からは、アルコール度数が高く酸味の弱いワインが生産されている。北部のわずかな地域を除いて年間降水量が少ないがゆえに、ブドウの樹を密植することはできない。また、ブドウの樹も古いものが多いために、スペインは世界1広いブドウ栽培地を保有するにもかかわらず、生産量はフランス、イタリアに次いで世界第3位にとどまっている。


流通するのは飲み頃になってから

スペイン産ワインの便利な点は、飲み頃のワインが買えること。というのも、スペインはワインを飲み頃になってから出荷する伝統があるからだ。それがボルドー格付けワインとなると、「買ってから10年寝かせておくとおいしくなりますよ」などということになる。

スペインのワインについては、「Crianza」、「Reserva」、「Gran Reserva」とラベルに明記されているが=写真下、これは、赤ワインの場合(生産地によって多少異なる)、クリアンサは最低2年(うち、樽熟成最低6ヵ月)、リセルバは最低3年(樽熟成1年)、グラン・リセルバは最低5年(樽熟成最低1年半)、生産者のセラーで熟成されたということを保証している。飲み頃を迎えてから出荷されるので、購入後更に寝かせる必要はない(もちろん、リセルバやグラン・リセルバの中には、購入後寝かせることによってさらに香味を高めるものもある)。その上、スペインのワインはグラン・リセルバの古いワインであっても、ボルドーやブルゴーニュのワインと比べると安価で、また、ヴィンテージ(収獲年)情報がなくとも、飲み頃のワインを選ぶことできるのも特長といえる。

ワインの申し分ない『お供』

スペインのチーズといえばマンチェゴが一番有名だろう。このハード・チーズは、もともとドン・キホーテの郷として知られるラ・マンチャla Manchaの高原で作られてきたが、今ではスペイン全土で生産される、スペインでも最も人気のあるチーズ。ラ・マンチャの夏と冬の厳しい気温差、激しい風といった極端な気候に順応するマンチェガ種の羊の乳から作られる。マンチェゴ・チーズは熟成度によって分類され、若い薄緑色~熟成した茶色の表皮の色合いの濃さによって見分けられる(表皮には縄目模様のワックスがついており、これを切りはずして食べる)。熟成したマンチェゴにはゴリゴリとした小さな粒が含まれているが、それはアミノ酸の結晶。これがこのチーズの口当たりを特徴づけている。熟成度の異なるマンチェゴを数種類、イベリコ・ハムとパン、セロリを数本用意したらワイン通には申し分ないつまみとなるだろう。

 

ミヨコ・スティーブンソン Miyoko Stevenson
WSETディプロマ取得。Circle of Wine Writers会員。Chevalier du Tastevin(利き酒騎士)団員。Jurade de St-Emilion団員。International Wine Challenge審査員。The Guild of Freemen of the City of London会員。ワイン関連の訳書・著書あり。現在、ロンドンでワイン教室を主宰。
www.miyokostevenson.co.uk
e-mail : 
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リベラ・デル・ドゥエロは大陸性気候で、夏季は摂氏40度を超えるほどの暑さとなり、乾燥する一方、冬季はマイナス摂氏18度を下回ることもあるなど厳しい寒さに見舞われる。
 

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