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英国では田舎のコテージなどで今でも萱(かや)ぶき屋根がよく見られるが、こういった屋根の材料となる萱の不足と価格高騰により、英国伝統の萱ぶき屋根が存続の危機にさらされていることが伝えられた(写真は伝統的手法による萱のふき替え作業の様子。「デイリー・テレグラフ」紙より)。
萱ぶき職人団体「the National Society of Master Thatchers」(以下、NSMT)によると、昨夏の多雨で屋根葺き用の萱が十分に収穫できなかったため、修理に十分な量の萱がないほか、供給不足が萱の価格の高騰を招いており、萱ぶき屋根の家の持ち主にとって萱のふき替えは経済的重圧になりつつあるという。
萱ぶき屋根の家はイングランドだけでもおよそ3万軒あるとされ、そのほとんどが「歴史的な建造物」に認定されている。歴史的建造物の保護団体「English
Heritage」では、指定建造物の修理の際に材料は元のものと同じ素材でなければならないとしており、いかなる代用品も許されないことも家の持ち主にとっては大きなプレッシャーとなっているとされる。
屋根用に使用される萱として昔から職人たちが愛用しているのは、長い茎をもつ小麦とされるが、現在ではこの種類より収穫が容易な別の種類の小麦が多く栽培されるようになったため、本来の小麦は入手が困難になってきているという。
ちなみに良質の萱は1トンあたり約700ポンド(約14万円)とされる。
伝統的な萱が不足している現状の解決策として、30年以上前から本来の萱の代用品として少しずつ使用されるようになっているライコムギ(ライ麦と小麦の混合種)の使用を正式に認めるべきであるとの声が挙がる中、「English
Heritage」では、屋根全体を代用品でふき替えるより、現在残っている伝統の萱で部分的なふき替えを行うべきであるとの見解を示しているという。
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