処女航海中に北大西洋で氷山に衝突し、沈没したタイタニック号の見張り台にあったとされる、双眼鏡をしまっておくロッカーの鍵が、このほどウィルトシャーのオークション会社「Henry
Aldridge and Sons」で競売に出品されることになり、話題を集めていることが伝えられた(写真は「デイリー・メール」紙より)。
このロッカーの鍵=写真上=は、タイタニック号の処女航海に乗船する予定だったものの、直前に下船を命じられて急ぐあまり、交代員に手渡すのを忘れたという船員デヴィッド・ブレア氏=写真下=が、タイタニック号の『形見』の品として保持していたもの。鍵はやがてその娘から1980年代には船員団体「the
British and International Seamen's Society」へ寄与されたという。
当時37歳だったブレア氏は、造船工場のあったベルファストから出港場所サウサンプトンまでタイタニック号に乗船、1912年4月10日発のニューヨークまでの処女航海でも2等船員として同行する予定だったとされる。ところが、出港直前に予定が急きょ変更となり、別の船に乗り換えるよう指令を受けて下船を余儀なくされたブレア氏は、双眼鏡のしまわれたロッカーの鍵を交代の船員に渡すのを忘れてしまったとされている。
この直後、ブレア氏はタイタニック号の処女航海に同行できなかったことを残念がる想いを、家族へのはがきにしたためたという。タイタニック号は4月14日の午後11時45分、北大西洋上で氷山に衝突し、翌日午前2時20分に沈没、1,522人が命を失った。
後にこの沈没事故に関して行われたアメリカでの審問では、タイタニック号の見張り番をしていた船員が、もし双眼鏡があったなら、遠方の氷山を事前に確認でき、事故は避けられたとの証言をしたことも伝えられている。ただ、関係者らは、もともと同号の船長が功を焦り、氷山の多い危険な海域でスピードを出しすぎていた事実を忘れるべきではないとコメントしている。
ちなみに、9月22日にオークションに出品されるこの鍵とブレア氏のはがきの落札推定価格は、最高7万ポンド(約1,540万円)とみられているという。
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