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起きている時はごく普通の温和な老紳士だが、眠りに就いた途端に人が変わったように凶暴になるものの、翌朝はそのことをまったく覚えていないという、稀な睡眠障害の男性が紹介され、このような睡眠障害は英国でも極めて珍しいケースとみられていることが伝えられた。
ベッドフォード在住のデレク・ロジャーズさん(70)は、通常は穏やかな物腰で思いやりにあふれ、罵り言葉を使うような人物ではないとされるが、一端眠りに就くと、脳が体をリラックスさせる代わりに、暴力的になるよう命じる信号を伝えるため、突然凶暴なモンスターに変身してしまうという。
ロジャーズさんは家具を壊し、金切り声で悪態をつき始めるほか、一緒に休んでいる妻のリンダさんにも暴力をふるうようになり、就寝中は夫婦の間に鉄格子を設けたものの、ロジャーズさんがこれも越えてしまうようになったために、二人はそれぞれ別室で休まざるを得なくなったとされる。
1998年からこのような症状にさいなまれるようになったというロジャーズさんは、翌朝起きると自分も負傷していることが少なくなく、鼻や肋骨を折ったり、頭部や拳が血だらけになっていたりし、週に最高3回も救急病院を訪れたこともあるほどとされるが、前夜に自分がしたことはまったく覚えていないという。
妻と共に南アフリカ出身というロジャーズさんは6種類の治療法を試した後、ケンブリッジのパップワース睡眠クリニックを紹介され、同クリニックの医師らはアメリカで開発された試薬を投与。この薬は睡眠中に脳からの信号が体内の筋肉に伝わるのを阻止し、事実上体を麻痺させるもので、その効果のほどにロジャーズさんはこれを「魔法の薬」と賞賛。ただ、この薬の処方費用は年間1万3,000ポンド(約260万円)とされる。
ロジャーズさんの稀な睡眠障害のエピソードは3月26日の午後10時35分から、BBC1の番組「Sleep Clinic」で放映予定という。
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