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1/12 英国伝統の裁判官用「かつら」、民事事件の裁判では着用を取りやめへ

英国の法廷では裁判官や弁護士などがかつらやローブ(長い上着)を身につけることが伝統となっているが、イングランドとウェールズの首席裁判官フィリップス卿は定期的に行われる裁判官の集会でこのほど、10月1日から、高等法院と控訴院において民事事件を扱う際には、裁判官はかつらの着用をやめる方針であることを明らかにした。

かつら着用の是非は、政府が15年前にこの問題の検討を始めて以来、何度も議論の対象となっていたが、今回でようやくこのかつらに関する規定の改革が行なわれることになるという。

フィリップス卿は、伝統的な服装より黒いシンプルなガウンの着用を支持していることで知られ、今回のかつら着用取りやめの決定により、新裁判官にかつらを支給するための費用、およそ1万5,000ポンド(約300万円)を節約できるとされる。

裁判官が着用するかつらは、白い縮れ毛が垂れ下がった「フルボトム」と呼ばれる儀式用のかつらと、法廷で着用する「ボブウィグ」または「ベンチウィグ」と呼ばれるかつらがあり、前者はおよそ2,000ポンド(約40万円)、後者は800ポンド(約16万円)ほどであるという。

なお今回の改革では、高等法院の裁判官なら季節や扱う裁判の種類によって5種類あるとされるローブの着用については触れられていないとされる。

高等法院裁判官の正装の起源は、14世紀のエドワード3世時代とされるが、弁護士や裁判官がかつらを着用するようになったのは1680年代という。1720年代までは、法曹界のかつらは白い粉で色をつけたものを使用していたが、1822年に加工が不必要な白や灰色の馬毛を使用したかつらが発明され、現在でもこのかつらは当時と同じ製造会社で作られているとされる。

法廷独特のかつらやガウンは、裁判に関わっている人物が誰なのかを外部から判別しにくくするという効果が挙げられているが、英国の伝統消失を懸念する声が聞かれる一方で、刑事事件を担当する裁判官や弁護士はこれまでどおりかつらの着用が義務付けられていることから、かつらの需要がまったくなくなるわけではないという。

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