不妊治療の一環と称して卵子を売買することは英国では法律上禁じられているが、アメリカではすでに一大ビジネスとなっており、健康な若い女性の卵子では最高2万ポンド(約400万円)を支払うカップルもいるのが実状となっている。このような中、クレジット・カードによる多額の借金を抱えたある英国人女性がこれを完済するために、自分の卵子をアメリカ向けに売りに出したことで、物議をかもしていることが伝えられた。
ハイ・ウィクーム在住のアレクサンドラ・ソーンダースさん(26)は、1万5,000ポンド(約300万円)もの借金返済のため、昼間はソフトウェア・コーディネーター、夜は週に5日、2ヵ所のパブで働いているが、合計年収は借金完済には到底間に合わない約2万ポンド(約400万円)という。
自分の愚かさからこのような借金を作ってしまったと認めるソーンダースさんはある日、診療所の待合室で診察を待つ間に読んでいた女性誌に、卵子を高額で売る女性を募る広告を発見。ソーンダースさんは早速、この広告にあったウェブサイトにアクセス。登録は名前や健康状態、喫煙の是非などをたずねる程度の単純なもので、登録リストには他にも多くの女性の名前があったとされる。
英国内では昨年、法律の改正により、提供された卵子から生まれた子供は18歳で生物学的母親の情報を得る権利が認められ、卵子提供者の匿名性が薄くなったこと、卵子提供者へは必要経費の支払いしか認められていないことが、英国内における卵子提供不足の原因という。
しかしながら、卵子の提供は男性の精子提供とは異なり、提供者への健康へのリスクが大きいため、アメリカ生殖医学会では先週、卵子を提供する英国人女性に最高5,000ポンド(約100万円)の謝礼支払いを提案。卵子摘出のためには卵巣に負担がかかる薬剤などが用いられることから、卵巣破裂などの危険性を伴い、将来子供を産みたいと思った時に不妊になっていたり、最悪の事態では死亡したりすることもあるとされ、高額の謝礼目的で、軽い気持ちから卵子提供を考える若い女性に警告を呼びかける声も聞かれている。
© 1999- 2006JAPAN JOURNALS
LTD. All rights reserved
*本ホームページ中の記事を無断で複写複製(コピー、ペースト)することを厳禁します。 |