奴隷貿易制度の廃止200周年を来年に迎えるにあたり、英国政府では「先祖」たちが行った奴隷貿易に対して、公式に謝罪する意向があることを明らかにした。
ジョン・プレスコット副首相をリーダーに、奴隷貿易制度廃止200周年の記念行事などを検討している政府の顧問委員会では、制度の廃止につながった奴隷貿易法が国会を通過したとされる3月25日に、謝罪声明を出すことを考慮中という。
謝罪の内容は、奴隷貿易を非難する一部のキャンペーン活動家が要求する正式謝罪にはほど遠いものの、謝罪の意志があることを示す誠意の現われのひとつとみなされているという。
英国内ではこれまでも、過去の奴隷貿易に関わってきた団体や都市が次々と公式謝罪を表明。1999年にはリバプールが謝罪を発表したほか、西インド諸島で奴隷を使ったプランテーションから大きな利益を得た英国国教会でも、今年2月の総会で当時の奴隷の子孫に謝罪を発表することを票決したとされる。
しかしながら、歴史上の事実に対して都市や政府がその子孫に対し、正式に謝罪をする風潮に批判的な声も挙がっており、謝罪の対象となる事実はいつの時代まで遡るべきなのかといった問題や、どうやって子孫全員に謝罪するのかといった問題が指摘されているという。
ちなみに、このような過去の過ちに対する謝罪の風潮は、1997年にトニー・ブレア首相が、19世紀半ばのアイルランドでジャガイモの不作から大飢饉が発生したことに対し、英国政府が適切な措置をとれなかったことを謝罪したのが始まりとされている。
奴隷制度に対する正式謝罪を求める側は、英国政府による謝罪は当然とする立場を示す一方で、政府機関の顧問の間では、政府が公式謝罪で非を認めることは、奴隷の子孫に賠償金の要求機会を与えることにもなりかねないと危惧する声も聞かれている。
© 1999- 2006JAPAN JOURNALS
LTD. All rights reserved
*本ホームページ中の記事を無断で複写複製(コピー、ペースト)することを厳禁します。 |