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今年1月、ケンブリッジにあるフィッツウィリアム博物館の窓際に展示されていた17世紀中国・清王朝時代の貴重な壷が、転倒した来館者によって粉々に壊れてしまった「事件」は記憶に新しい。博物館側では不可能に近いとされていたこれらの壷の修復に全力を注いでいたが、このうち、一番大きい壷の完全修復に成功し、他の壊れた壷もクリスマスまでには修復を終えるとみられていることを英国の大衆紙「デイリー・メール」が伝えた。
粉砕されてしまった壷は30万ポンド(約6,000万円)とされる5つセットのうちの3つで、博物館ではこのうち、重さ約45キロという最も大きな壷の修復に成功=写真。つなぎ合わせた破片は115片以上にも及んだとされ、修復された壷は7日から、「不可能に近い」といわれていた修復作業にちなんだ特別展「Mission
Impossible」で一般公開されているが、前回の教訓からこの壷はガラス製の展示ケースに入れられているという。
壷の修復に際してはまず、3日がかりで破片を壷絵のそれぞれのシーンに沿い、24のトレイに分け、次に3ヵ月かけて3種類の油脂除去剤を用いてひとつひとつの破片をきれいにし、テープでとめていったという。それから、樹脂製の接着剤を使って破片を継ぎ合わせるのに約1ヵ月。樹脂剤を2回重ね塗りしてから余分な樹脂を削り取り、テープを剥がした後に、わずかな隙間に充填剤をつめ、特殊なメッシュ地で表面を磨いた後、最後にボタンやキジ、蝶や虫などが描かれたエナメル部分にアクリル絵の具で修正を施し、完成させたとされる。
ちなみに、靴紐につまずいてこの壷を割ってしまったという来館者ニック・フリンさんは、脛に軽いケガと頭部にこぶを負っただけで済んだが、壷を壊してしまったという精神的な衝撃は大きく、これを「人生最悪の事故」と表現。4月には器物破損容疑で逮捕、事情聴取されたが、罪には問われなかったという。
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