NHS(英国の国民医療制度)管轄下の医療機関における看護師採用の大幅縮小により、今年2万人とみられる看護師養成コース修了者のうち、半数以上が就職先をみつけることができず、合計10万ポンド(約2,000万円)もの費用を払って養成コースを修了したにもかかわらず、多くの看護師見習いが、多額の学生ローンを抱えたまま路頭に迷うことになると危惧されていることが伝えられた。
全国38万人の看護師やヘルス・ワーカーを代表する看護師養成機関「the Royal College of Nursing」がボーンマスで開催した年次集会での報告によると、今年3月に公立医療機関に勤務する看護師は39万7,500人である一方、看護師の募集人数はわずか7,552人でしかないという。
今年8月に大学の看護師養成コースを卒業する予定の、ある38歳学生は、卒業後の就職先をみつけるため、50ヵ所の関連機関に出願したがすべて断られ、現在は2万ポンド(約400万円)の学生ローンを抱え、スーパーマーケットのアルバイトに就くしかなく、大きな失望と怒りを訴えているという。
同集会の報告ではさらに、近年の看護師不足を補うために、外国人看護師を雇うケースが増えたことで一般の募集件数も少なくなったことに加え、今年は医療費削減のために、多くの病院が職員の解雇や採用自粛を余儀なくされる事態になっていることも指摘。ちなみに2004年の新規採用者のうち、半数は外国人であるとされる。
「The Royal College of Nursing」では、イングランドとウェールズでも、スコットランドと同様に、新看護師には最低1年間の職を保証してくれるよう政府に懇願。また、7,000人以上の看護師がリストラされたにもかかわらず、NHSのサービスがこれまでにない向上を見せたと宣言したパトリシア・ヒューイット保健相に対しても、批判の声を強めているという。
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