イスラム教徒の女性が身につけるジルバブ(身体全体を覆う布)の着用を拒否され、教育の機会を奪われたとし、原告の女子生徒が学校側を人権侵害で訴えていた裁判で、最高司法機関の機能をあわせ持つ英国上院は22日、学校側の正当性を認め、この女子学生の訴えを却下したことが報じられた。
シャビーナ・ベイガムさん(17)=写真=は、12歳で地元ルートンにある、在籍生徒の8割がイスラム教徒というデンビー高等学校に通い始め、当初は学校側が宗教的な配慮からイスラム教学者の助言を得て、特別にデザインしたという長い胴着とズボンという制服を着用していたとされる。
しかし、2002年9月、この制服が体全体を覆っていないため、イスラム教の教えに反すると認識したベイガムさんは、自らの判断でジルバブを着用。しかし、学校側はこれを校則違反として、ベイガムさんに規定の制服を着用するよう指導を行ったとされるが、ベイガムさんはこれに反発し、登校を拒否。その間、教育を受ける権利と宗教の自由が侵害されたとして、デンビー高等学校の校長と自治体を高等法院に訴えたという。
2004年6月に行われたこの裁判では、ベイガムさんの訴えは認められなかったものの、上訴した控訴院では勝訴。今度は学校側が上院に上訴し、判断があおがれることになったが、上院では学校側がすでに十分宗教への配慮を行っており対応に落ち度はなかったとし、ベイガムさんの訴えを退けたとされる。
ベイガムさんはこの判決内容に大きな失望を露わにしながらも、次の手段への移行を模索中とされ、最終的にはヨーロッパ人権裁判所への上訴を考えているという。ちなみに、一連の裁判費用として公的資金から既に50,000ポンド(約1,000万円)が使われている。
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