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1/27 録音された自分の声が、自分の声じゃないように聞こえるワケ
テープなどに録音された自分の声が、自分の声ではないように聞こえるという経験は誰にでもあることだが、このような録音された自分の声への違和感だけでなく、自分の叫び声などが120デシベルという、約457メートル離れたジェットエンジンの音にも匹敵する音量に達しながらも聴覚障害を引き起こさない理由に関する新説が、26日発行の科学雑誌「Science」に掲載された。

ケンブリッジ大学のジェームズ・プレット博士とバーソルド・ヘドウィッグ博士は、自分自身の発する大音響に耳が影響を受けないのは、自分の発する音量を調節して聴くための神経系列が備わっているためと仮定。これを証明するために、コオロギを使った実験を行ったとされる。

コオロギを選んだ理由としては、脳の神経構造が単純であること、また、長時間鳴き続けるコオロギの、足にある耳がその大音量にどう対処しているかを調べるには格好の生き物であるためという。ちなみに、コオロギにとって自分の鳴き声の音量は、人間にしてみればすぐ脇で聞く道路工事のドリルと同等とされている。

この実験の結果、コオロギの脳には介在ニューロンと呼ばれる、耳に入ってくる音量を小さくするための特殊な神経細胞が備わっていることが判明。この神経細胞はコオロギが鳴き出すと同時に、感覚神経細胞に音量レベルを下げて聞くようメッセージを伝えるほか、自分と他のコオロギとの鳴き声を判別する働きもあるという。ちなみに、この神経細胞はコオロギが飛んでいる時は機能しないため、コウモリなどの捕食者の鳴き声も遠くから聞き分けることができるという。

プレット博士は人間も同様の神経細胞を有しており、さらに人間の場合は耳を保護する膜がもうひとつあると指摘。この膜は中耳の中の筋肉で、声を発するとこの筋肉が収縮し、耳の中の骨が必要以上に振動するのを抑え、耳への衝撃を和らげるとされる。

また、コオロギと同様に人間の脳にも、特別な介在神経ともいうべきものが存在し、自分自身の声で聴覚がダメージを受けないよう、脳内でも音量を調整していると考えられている。

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