豆はスーパーフード!
 日本人の豆の年間消費量は、英国人のそれと比べると三倍以上の一人平均二十五キロ。「そんなに豆を食べている実感はない」という人も多いと思うが、それは日本人の消費する豆のうち、実に九七%が大豆であり、そのほとんどが豆腐や醤油、納豆、油揚げ、味噌などに姿を変えているから。豆そのものの形で一般的に売られているのは、アズキの水煮缶やパウチ袋入りの調理済み金時豆などで、種類に限りがある。
 一方、ロンドンではどこのスーパーマーケットにも、何種類もの豆がずらりと並ぶ。エスニック系食品店であれば、ざっと五十種類は下らない。世界中から多くの民族が集まり、様々な食文化が楽しめるロンドンならではの品ぞろえといえるだろう。
 全世界で食用にされている豆は七十種類前後。豆は優れた栄養価をもつ上、常温で長期保存できることから、太古の昔より世界中のいたるところでもっとも身近な食物のひとつとされてきた。
 豆の恩恵をこおむっているのは人間だけではない。豆は植物の中でも非常にユニークな存在で、畑に植えられている間に、植物の育成に欠かせない成分である窒素を、根から土壌に補給することができるのだ。つまり、やせた畑をふたたび肥沃な土壌に変える重要な役割を果たす。このため、ほかの植物を栽培する際の輪作に取り入れられるケースも多い。とくに化学肥料を使わない有機農業では重宝がられている。

豆が大変!
 こんな『スーパーフード』の豆が今、大変なことになっている。ここ数年、問題とされている地球温暖化のせいで、豆の生産量がグッと減っているのだ。なぜか。異常気象が続き、旱ばつで生産量が減っているというのもある。しかしそのおもな原因は、風が吹けば儲かるという桶屋もビックリの、壮大なドミノ倒し現象にある。
 地球温暖化の元凶とされるCO2の削減が声高に叫ばれる中、ガソリンに替わる燃料としてにわかに注目されているのが「バイオ燃料」。この原料となるバイオエタノールは、サトウキビやトウモロコシから作られており、これらの作物の需要が急激に増えている。このため、これまで豆を生産していた農家がサトウキビなどに転作するケースが増えているというのだ。現在のおもなエネルギー源である石油は有限資源で、その価格が沸騰中であること、また、バイオ燃料の使用により排出されるCO2は、もともと植物が光合成により空気中から取り入れたものであり、そのCO2が空気中に戻るだけだという「カーボンニュートラル」の考え方に基づき、バイオ燃料の評価が高まっていることから、その需要は今後ますます増加するとみられる。
 豆を栽培する農家が減少すると、豆が手の届かない食材になってしまう恐れがある…だけではない。実は先進諸国で消費される豆や穀物のうち、なんと九割は家畜の飼料となっている。ということは、豆の生産が減りその価格が高騰すれば、当然、その豆をエサにしていた牛肉や豚肉も値上がりする。また、大豆油が主原料であるマヨネーズなど、かなり身近な食品の値上がりも避けられない。
これらはすべて空想の話ではなく、今まさに起こっている現実の話。「豆なんてそんなに好きじゃないし、しょっちゅう食べるわけでもないから、この世からなくなってもそんなの関係な~い!」というそこのあなた! 豆事情が変われば食生活全体がガラッと変わってしまうかもしれません…。
 とまぁ硬い話はこれくらいにして、今月は、食べているのに意外と知らない豆料理の基本に触れつつ、ロンドンだからこそ身近に楽しめるバラエティ豊かな豆の数々をご紹介。豆が幻の高級食材になる前に(!?)、ふだんの生活に豆を賢く取り入れてみよう!

 


影の主役
かなり地味なイメージだが、意外と誰もがいつの間にか知らない間に摂取していることが多い豆。特に外食をする場合、中華料理でもイタリアンでも韓国料理でもトルコ料理でも、必ずといっていいほど豆がこっそりといい仕事をしている。大豆から作られた味噌や醤油を味付けの基本にしている日本食も、豆の恩恵を大いに受けている料理のひとつといえる。

中華の定番、麻婆豆腐=写真右上=に入っている豆板醤の原料も豆。韓国料理に欠かせないコチュジャンにも豆が使われている。また、イタリアの母の味、ミネストローネ=同右下=には、ヒヨコマメやサヤインゲンが入っていることが多い。
栄養満点
日本では大豆が「畑の肉」と呼ばれるが、大豆に限らず豆は全般に高たんぱく質であることから、肉を食べないベジタリアンの貴重なたんぱく源とされている。また、意外にも繊維が殊のほか豊富で、ゴボウの2倍もの食物繊維が含まれる種類もあり、便秘解消、動脈硬化や糖尿病の予防に効果があるほか、満腹感を得やすいため食べすぎも防げる。さらに、不足すると疲れやすくなったり精神的に不安定になったりするといわれるビタミンB1を多く含むほか、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルも豊かであるため、特にヘルシー志向の人々の間で大注目を浴びている。
安い
どんなにおいしくて栄養満点でも、値段が高いとふだんの生活に取り入れにくい。その点、豆はなんといっても安い! 健康的な食品は往々にして高価なものが多いが、豆の場合、1人が1回に消費するのは10ペンス(約20円)程度。しかも豆そのものが食事の主役になることはあまりなく、さまざまな料理にいろいろな形で応用して取り入れることができる。肉や魚、野菜などほかの食材にプラスすれば、大家族の家計も大助かりだ。

簡単&便利
どういうわけか「面倒くさい」というイメージの強い豆料理だが、実はとっても便利な食材。乾燥豆ならそのまま常温で長期保存しておけるし、ゆでたものでも冷凍すれば1ヵ月程度は保存がきく。たしかに下ごしらえが必要なので、「今すぐ食べたい!」と思ってから、「水で6時間戻して~、じっくり煮込んで~」と、一からスタートしていたら飢え死にしてしまいそうだが、時間がある際に大量の豆を一気にゆでて冷凍しておけば、いつでもサッと取り出して使えるので、むしろ忙しい人の強~い味方。
 


インゲン Kidney bean

 インゲンは、大豆や落花生など主に食用油に加工されるものを除けば、世界でもっとも多く消費されており、歴史的にみても、紀元前4000年頃にはすでに栽培されていたという、人類との付き合いが深い豆だ。
  白いタイプや黒いタイプ、トラ柄のものまで様々あり、英国では乾燥されたものが多く出回っているが、もっともなじみの深いインゲンといえば、なんといっても「ベイクト・ビーンズBaked Beans」だろう。メキシコ料理の代表格チリコンカルネに入っている豆もインゲンが一般的。
  ちなみに日本語でインゲンと呼ばれるのは、17世紀に隠元(インゲン)禅師が日本に持ち込んだからだとか。和え物などによく使われるサヤインゲン(french bean)は、インゲンを若いうちに摘んだもの。

レンズマメ
Lentil

 日本ではお目にかかる機会はあまりないが、インドでは食べない日はないといっても過言ではないほど日常的な食材で、実際、レンズマメの生産量も消費量もインドが世界一だ。
  レンズマメはコレステロールを減少させる溶解繊維を含み、鉄分は他の豆類の約2倍。また、妊娠中・妊娠予定の女性によいとされる葉酸やビタミンBも豊富であることから、2006年にはアメリカの健康雑誌『Health』で「世界の5大ヘルシー食品」のひとつに選ばれた。ほとんどの豆と違い、レンズマメは水に浸けずにそのまま調理できる。値段が手頃だということも合わせて、頼りになる食材といえそう。


赤、黄、黒、緑…と目も楽しませてくれるレンズマメは、イタリア料理やフランス料理でも多用される。

 

ヒヨコマメ
Chickpea

 レンズマメ同様、ヒヨコマメもインドでもっとも多く消費されている豆。原産はトルコ南部だが、現在は世界総生産量の3分の2がインドで栽培されている。血糖値を抑える効果があるため、糖尿病を患う人に適した食材。また、牛乳にも負けないほどのカルシウムを豊富に含む。ヒヨコマメを使ったカレーは、インドはもちろん英国でも人気が高い。また、中東料理のファラフェルやフムスもヒヨコマメを使った料理。これらも英国でかなり浸透している。

ヒヨコマメは、レンズマメ同様インドの煮込み料理「ダール」にして食されることも多い。

日本では大豆から作られる豆腐が一般的だが、豆類の輸出量が世界第2位(2004年度)を誇るミャンマーでは、ヒヨコマメでできた豆腐「ビルマ豆腐」が人気
 

エンドウ
Pea

 サヤを開けると丸い豆が整然と並び、かわいらしいイメージのエンドウは、未熟なうちに収穫すると、ちらし寿司や小鉢物などの和食に彩をそえるサヤエンドウ。成長すると、フィッシュ&チップスなどの添え物として英国でもおなじみのグリーンピースになる。同じエンドウでもやや硬めのものは煮込み料理などに使われることが多く、日本ではみつ豆で知られる。


日本よりもむしろ海外で人気が高そうなわさび豆。ツーンと鼻に来る刺激とエンドウの香ばしさがクセになる。
日本ですっかり定着した
エンドウのスナック。
サクッと軽い食感が人気だ
(写真は「Tohatoビーノ」)。
 

ソラマメ
Broad bean

 世界最古の農作物のひとつといわれ、古代エジプトですでに栽培されていたとされる。日本では塩ゆでされたものがおつまみとしてポピュラーだが、油で揚げて塩をまぶすのが主流という国もある。つぶしてペーストにした状態で料理に盛り込まれることも多く、中東料理ファラフェルは、エジプトではターメーヤと呼ばれ、ヒヨコマメではなくソラマメで作られる。また、四川料理に欠かせない豆板醤の原料もソラマメ。

イタリアには、毎年11月2日にソラマメ型のお菓子「fave dei morti」を楽しむ風習がある。この起源には諸説あるが、一説では昔大飢饉が起こった際、唯一収穫できたソラマメのおかげで人々が餓死せずに済んだことに感謝してソラマメを食べる習慣ができたという。ちなみに現在は形だけで材料にソラマメは含まれていない。

ササゲ
Cow pea

 和菓子に欠かせない餡の原料アズキはササゲ属の豆。アズキの赤には魔除けの力があると信じられ、日本では縁起物とされてきた。しかし煮ると皮が破れやすい(腹が割れやすい)ことから武家では倦厭され、赤飯にはアズキのかわりに同じササゲ属のササゲが代用された。
  もやしの原料の緑豆もササゲの仲間。英国でも人気のカリブ料理ジャーク・チキンJerk Chickenなどに添えられるライス&ピーズRice and Peasの豆もササゲ(インゲンマメの場合もある)。

おせち料理の定番、黒豆煮。日本も含め、東・東南アジアでは豆を甘くして食すことがあるが、インド以西ではそれはないらしい。

大豆
Soya bean

 大豆がなければ日本食は成り立たないといっても過言ではない。醤油も味噌も納豆も豆腐も油揚げも、原料は大豆。未熟な大豆を枝ごと収穫してゆでれば枝豆、炒ってすりつぶせばきな粉になる。ゆでた大豆を搾ると豆乳、そのカスはおからだ。温めた豆乳の表面に張る膜は湯葉になる。
  『日本の豆』というイメージの強い大豆だが、実は日本で消費される大豆のうち、なんと95%が輸入品。そのうち約75%がアメリカ産だ。このため、今まで食用油や飼料用の大豆を生産していたアメリカが、日本をターゲットに食用大豆の品種改良をさかんに進めているという。
  そんな中、レンズマメ同様に大豆も、アメリカの雑誌で「世界5大ヘルシー食品」に選ばれた。同誌によると、大豆はガンや骨粗しょう症、心臓病を防ぐ働きをもつという。また大豆は「畑の肉」と呼ばれるほどたんぱく質を豊富に含むことから、ベジタリアンの貴重なたんぱく源にもされている。
  ちなみに英語では「貧乏人の肉poor man's meat」と呼ばれることがあるとのこと。どちらも「肉に匹敵するほどたんぱく質が豊富」という意味だが、響きはずいぶん違う…。

今年は豆まきしましたか?(写真は節分祭で豆をまくMEGUMIさん〈右〉ら=2006年、大阪府寝屋川市の成田山不動尊)
日本の年中行事のひとつ「節分」の豆は大豆が一般的だが、落花生をまく地方もある。落花生には殻があるので、あとで拾って食べられるという実用的な理由によるものらしい。
形も色もさまざま…いろんな豆
  「豆」を英語でいうと「ビーン bean」というのは間違いではないが、ちょっと語弊がある。というのは、日本語ではお多福のお面のような形をしたソラマメも、まんまるのグリーンピースも、俵型のアズキもすべて「豆」と呼ぶが、英語では形によって呼び方が違うからだ。たとえば俵型やお多福のお面型はビーンbean、まんまるのはピーpea。日本ではあまりなじみがないが、円盤のような形の豆はレンティルlentil、丸いが凸凹があるタイプはチックピーchickpeaだ。
  これらを総称したい場合、一般的にはビーンbeanでもいいが、やや硬く「豆類」を意味したい場合は「パルスpulse」となる。
  とはいえ厳密な決まりがあるわけではなく、あくまで慣習的に形ごとに呼び分けられているようだ。ちなみに植物学的にいうと、豆類とはサヤの中に1~12個の種や粒が入っているマメ科の植物のこと。つまり、コーヒー豆やカカオ豆はサヤに入っていないので正確には豆類ではないが、その形から「豆bean」と呼ばれている。
乾燥豆、缶入り豆、生豆…
 英国で一般に売られている豆には缶入り豆と乾燥豆の2種類がある。缶入り豆は水浸・下煮などの加工がすでに施されており、開けたらすぐに使えて便利だが、食感があまりよくないという評判も聞こえる。また、缶だと1回分の量を調整できず、特に1~2人分など少量を料理したい場合、余ってしまうという難点もある。人工的に味付けされたものも多いので、購入時にはラベルの成分表で塩分や糖分の含有量を確認しよう。
  一方、乾燥豆は高温多湿を避ければ2年はもつという優れた常備食。食べる前に水に数時間浸け、さらにゆでるなど少し手間がかかるが、硬さを自分好みに調節できるし、冷凍しておけば食べたい時に食べたい分だけ取り出せる。そして、なんといっても安いのが嬉しい。
  ここに紹介した豆は、すべて乾燥豆としてロンドンのスーパーマーケットなどの小売店で簡単に手に入れることができる。

乾燥豆の保存法

乾燥豆は茶缶のような容器に入れ、直射日光を避けて乾燥した場所に保管すれば2年は保存できる。

やってみよう! 豆の下ごしらえ
 乾燥豆は食べる前に下準備が必要。実はこれに時間がかかるため、豆は「面倒くさい食材」だと思われがち。でも要は水に浸してゆでるだけだ。これさえすれば、豆は使いたい時にサッと使えるスーパー食材に早がわり。どの豆も下ごしらえの基本は同じ。また、レンズマメのように下ごしらえ不要の乾燥豆もある。うまく使い分けよう。

①水に浸す
  あとでゆでる際に、中まで均等に熱が回り、おいしく食べられる軟らかさになるよう十分に水を吸わせる。
  大きめのボールに乾燥豆を入れ、割れている豆や虫食いのあるものを手で取り除いたら水で2~3回すすぎ、たっぷりの水を加えて6時間ほど放置すればOK。寝る前やお出かけ前にセットしておけば、朝起きた時、または外出から帰ってきた頃には、水を十分に吸って丸々と太った豆と対面できるはず。


もっと早く食べたい!という場合は、いきなり熱湯に浸すと2時間前後で戻せるが、水分を均等に十分吸わせるには時間をかけて水で戻すのがベスト。


②下ゆでする
① 豆を浸していた水には栄養が溶け出しているので捨てずに豆を煮る際にそのまま使う。ただし、インゲンを浸した水は捨てる(※「注意! 豆の毒性」参照)。豆が水面から出ている場合は新たに水を足し、フタなしで中火~強火にかける。
② 沸騰したらほんの少し水を加え(差し水)、ふたたび煮立ってきたらアクを取って弱火にする。
③ 落し蓋をし、水が蒸発して豆が水面から顔を出したら随時水を注ぎ足す。豆が指でつぶれる程度に軟らかくなったら出来上がり! 所要時間の目安は60分前後。

耳寄り情報!
豆をゆでたあとに残った汁には、血中コレステロールや中性脂肪を抑えるサポニンと呼ばれる成分が溶け出している。このサポニンには脂肪の代謝を促進する効果があり、肥満防止にも一役買うといわれている。


How to 保存
 下ゆでした豆は室温で放置すると細菌が繁殖しやすいので、できるだけ早く冷ます。2~3日以内に使う予定であれば、プラスチックの密封容器などに入れて冷蔵庫に入れておく。冷凍する場合は1回に使う量ずつ小分けにしてジッパー付き食品用小袋などに入れて冷凍庫へ。1ヵ月を目安に使い切る。豆を煮たあとに残ったゆで汁は栄養満点。豆のコクや旨みが溶け出ているので捨てるのはもったいない。豆同様保存して、煮汁やスープの元として利用しよう。製氷皿で凍らせてキューブ状にしておくと使いやすい。

作ってみよう!
  世界各国の豆料理を気軽に楽しめるのは、世界中から人と文化が集まるロンドンならでは。でも、「食べたことはあるけど作ったことはない」という豆料理も多いのでは? ここでは、ロンドンでなじみの深い豆料理のレシピをいくつかご紹介!

チリコンカルネ
Chili Con Carne
6人分
材 料

下ごしらえしたインゲン(または缶入りインゲン) 
牛ももひき肉
大タマネギ(みじん切り)
青ピーマン(大きめのみじん切り)
ホールトマト
グリーン・チリペッパー
トマトソース
ベジタブルオイル
チリパウダー

ベイリーフ

約850グラム
450グラム
1個

1個
1缶
お好みで3~5本
200グラム
小さじ1
小さじ1
少々
1枚
作り方 大きめの鍋でタマネギが黄金色になるまで油で炒める。ピーマン、ひき肉も加えて炒め、豆以外の材料をすべて投入。フタをして時々かき混ぜながら1~2時間煮込む。こびりついてきたら少しずつ水を足す。最後に豆を入れ、ひと煮立ちしたら出来上がり! 
ファラフェル
Falafel

4人分
材 料

下ごしらえしたヒヨコマメ(または缶入りヒヨコマメ)
大タマネギ(みじん切り)
ニンニク(みじん切り)
パセリ(みじん切り)
コリアンダー/クミン
小麦粉
塩コショウ
揚げ油

450グラム
1個
2片
小さじ1
各小さじ1
小さじ2
少々
適量
作り方

① ボールに、油以外のすべての材料を入れ、よくこねる。
② ピンポン玉大に丸める。揚げる時バラバラにならないよう、しっかりと握るのがコツ。
③ 180度に熱した油で5~7分程、黄金色に揚がったら出来上がり!

*レタスやトマト、タヒニtahini(練りゴマ)を添え、写真のようにピタパンに挟むと本格的!
*ヒヨコマメのかわりに、ヒヨコマメが原料のべスン粉(gram flour)を使ってもOK。べスン粉はインド料理やフランス料理、イタリア料理にも使えるので、常備するのも一案。

パコラ
Pakora
インドてんぷら
2人分

材 料

ベスン粉(ヒヨコマメが原料)gram flour

チリパウダー
クミン

具(タマネギ、ホウレンソウ、ジャガイモ、ナスなどの野菜や、チーズ、鶏肉などお好みで)
揚げ油

1カップ
1/4カップ
小さじ2
小さじ1
少々
適量

適量
作り方

具、揚げ油以外をすべて混ぜ合わせ衣を作る。具に衣をつけ、180~200度でカラッと揚げれば出来上がり。ケチャップか塩をつけて召し上がれ。日本人ウケすること間違いなし! 

フムス
Hummus

2カップ分

材 料

下ごしらえしたヒヨコマメ(または缶入りヒヨコマメ)
タヒニtahini(練りゴマ)
おろしニンニク
水/レモン汁
オリーブオイル

400グラム
1/2カップ
2片分
各1/4カップ
1/4カップ
小さじ1
作り方

すべての材料をフードプロセッサーにかければ出来上がり!
*お好みでチリパウダーを加えればピリッと辛めに仕上がる。
*フードプロセッサーがなくても、すり鉢があればOK! 
*余ったフムスは冷蔵庫で1週間、冷凍庫では3ヵ月は保存可。

英語 豆知識
身近な食物である豆は、日常会話の中にも多く登場する。ここでは、豆beanを使ったおもしろい言い回しをいくつかご紹介。どれも頻度の高い『使える』フレーズ!

● not have a bean= 一文なし
My pay-day comes tomorrow. I don't have a bean to spend tonight!
「給料日は明日。今夜は使えるお金がない!」
● to spill the beans = 秘密をばらす
John spilled the beans to my wife on my affair with a young girl.
「ジョンのせいで、若いコとの浮気が妻にばれた…」
● do not know beans about something = ○○について、これっぽっちも知らない 
I don't know beans about wine.「ワインに関する知識はこれっぽっちもありません」
● know one beans / know how many beans make five = とても賢い/博識だ 
She is called a walking encyclopaedia, for she knows her beans.
「彼女は何でも知っているので『歩く百科事典』と呼ばれている」
おならの話
  ほとんどの豆に含まれるオリゴ糖は、人間の大腸内にいる善玉菌の代表選手ビフィズス菌の大好物。ビフィズス菌はオリゴ糖を分解して腸を健康な状態に保つ酸を出すが、副産物としてガスも発生させてしまう。さらに豆には腸の働きを活発にする繊維も豊富に含まれていることから、豆を食べるとおならが出やすくなるのだ。これは善玉菌が活発に活動している証拠。善玉菌が活躍すれば、便秘解消や肥満防止のほか、動脈硬化予防、老化防止も期待できる。
  しかしだからといって、いつでもどこでもおならをするわけにはいかない。ガスを抑えたいなら、豆料理にニンニクやコリアンダー、クミンを組み合わせるといいとされる。また、アズキやレンズマメなどは比較的消化しやすく、ガスの発生が少ない。
  ところで、英語のわらべ歌に「Beans, beans, the musical fruit♪(豆、豆、音を出すくだもの♪)」というのがある。豆を食べるとおならが出ることから、いつからか歌われるようになったものだ。ちなみにお気づきのようにこの歌では豆をくだものと呼んでいる。これは間違いではなく、学術的にも豆はくだものに分類される。

注意 豆の毒性
  豆を水に浸けたりゆでたりするのは、豆を食べやすくするためというよりは食べられるようにするため。ほとんどの豆には毒素があり、誤った食べ方をすると健康を損なう危険がある。
  とくにインゲンに含まれるレクチンは毒性が強く、2006年には日本のテレビ番組で紹介された、白インゲンを使ったダイエット法を試した人々が下痢や嘔吐に見舞われ問題になった。これは、豆の調理時間が十分でなかったために起こった悲劇。豆は加熱が足りないと、生の状態の時よりむしろ毒性が増すのだ。
  こう書くと恐ろしくて食べる気が失せるかもしれないが、上記のとおり、水に浸して下ゆでする工程をしっかりやれば豆を安全に楽しむことができる。豆の袋にある説明書きも参考にしよう。
  どうしても心配という人には、缶入りの豆がおすすめ。缶入りの豆はすでに下ごしらえが済んだ状態になっているので安心である上、取り扱いが極めて簡単。